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サイバーセキュリティー対策セミナーへの参加
2025年10月2日に東京商工会議所 渋谷支部主催で開催された「サイバーセキュリティ対策セミナー」に、探偵法人調査士会(株)が参加しました。本セミナーでは、日常生活や業務で急増しているサポート詐欺やフィッシング詐欺、パスワード管理の不備による情報流出など、現代社会におけるサイバー犯罪の最新手口が紹介されました。セミナーへの参加活動報告について記載しています。
セミナー概要報告
サポート詐欺の手口と対策及びパスワード管理の重要性などについて
サポート詐欺の手口と対策
近年被害が拡大している「サポート詐欺」について詳しく解説が行われました。サポート詐欺とは、パソコンの画面に「ウイルス感染」などの警告を表示し、利用者に不安を与え、架空のサポート契約や金銭をだまし取る手口です。特に高齢者やIT知識の少ない層を狙ったケースが多く報告されています。対策として、警告画面が出たら、画面上の電話番号に電話をかけたり、電子マネーカードの購入やネットバンキングをしないことが重要です。また、クリックしても警告画面が消えない場合は、全画面表示されているため、キーボードの「ESCボタン」を長押し、表示された正規の「閉じるボタン」をクリックすることでブラウザを終了することができます。
フィッシング詐欺とパスワード管理
フィッシング詐欺は、正規の企業や金融機関を装ってIDやパスワード、クレジットカード情報などを盗み出すサイバー犯罪の代表的な手口です。セミナーでは、メールやSMSで送られてくる偽のリンクをクリックしないこと、ブックマークなどを用いて、公式サイトのURLを必ず確認することの重要性が強調されました。また、パスワードの使い回しが被害拡大の原因となるケースが多く、複数のサイトで同じパスワードを使用しないことが推奨されました。講師からは、パスワードマネージャーの活用や、多要素認証の導入による安全性向上の方法も紹介されました。探偵法人調査士会では、顧客情報を扱う業務上、厳格なパスワード管理ルールを設け、社員全員が定期的に更新・監査を行っています。情報管理の徹底は、信頼される調査活動を維持するための基本であると再確認されました。
Click Fixの被害にあわないために
セミナーでは、最近被害が増加している「Click Fix」と呼ばれる詐欺にも焦点が当てられました。これは、偽の認証画面(例:「私はロボットではありません」)をクリックすると、エラーメッセージを含んだダイアログボックスが出現し、そこに書かれた手順に従ってコマンドを入力してしまった被害者自らにマルウェアを実行させる手法です。実行される主なマルウェアとして、インフォスティーラと呼ばれる被害者のIDやパスワード、クレジットカード情報を盗むことを目的としたマルウェアが挙げられます。
インターネットを安全に活用するために
中小企業に増加するランサムウェアの被害
「ランサムウェア」について詳しい説明がありました。ランサムウェアとは、コンピュータやネットワーク内のデータを暗号化し、復旧のために身代金を要求する悪質なウイルスです。被害の多くは、従業員が誤って添付ファイルを開いたり、不審なリンクをクリックしたりすることから始まります。特に中小企業で被害が増加しており、2024年の調査ではランサムウェア被害件数のうち、約63%が中小企業でした。その背景として、多くの中小企業の情報セキュリティに脆弱性があることが考えられます。ランサムウェアを中心としたサイバー攻撃の被害は、自社内だけでなく顧客や取引企業にも波及します。セミナーでは、組織に合ったセキュリティの考え方を定義し、内部と外部の両方から発生するリスクについて防止することの重要性が共有されました。
セキュリティに対する組織のあり方
セミナーでは、組織としてのセキュリティ対策のあり方についても学びました。サイバー攻撃の多くは個人ではなく組織を狙って行われるため、経営層から現場まで全員が同じ意識を持つことが重要です。これを実現するために、セキュリティポリシーを策定し、実行することが求められると強調されました。セキュリティポリシーとは、自らの組織が持つ情報資産をどのような脅威から守るのか、それを守るための社内規定やセキュリティを確保するための体制を定めたものです。セキュリティーポリシーは、一度定めたら終わりではなく、常に見直しし、運用状況や環境の変化に合わせて改善していくことが必要です。探偵法人調査士会では、調査情報を扱う特性上、厳格なセキュリティーポリシーを定め、社内ネットワークのアクセス権限を厳格に管理し、定期的な内部監査を実施しています。組織としての責任と信頼を守るための取り組みを今後も強化していく方針です。
情報漏洩の防止と外部からの攻撃の防止
セミナーでは、内部からの情報流出と外部からの不正アクセスの両面について、具体的な防止策が紹介されました。内部対策としては、USBメモリや私用デバイスの持ち込みを制限し、作業ログやアクセス履歴を監視することが推奨されています。外部対策としては、クラウドの活用、安全性の高いパスワードや多要素認証の設定、そして、従業員一人ひとりが、マルウェアやフィッシングなどの外部の脅威を知り、対策を講じることが重要であると強調しました。探偵法人調査士会では、今後も、最新のセキュリティ情報をもとに対策を更新し、依頼者の信頼に応える安全な業務運営を維持していきます。
サイバー犯罪から身を守るために必要な意識と行動
2025年10月2日に開催された「サイバーセキュリティ対策セミナー」(主催:東京商工会議所 渋谷支部)は、私たちにとって非常に有意義な学びの機会となりました。本セミナーでは、サポート詐欺やフィッシング詐欺など身近な被害から、企業を狙うランサムウェアや情報漏洩対策まで、幅広いテーマが取り上げられました。今回学んだ内容を業務全体に反映し、依頼人の個人情報や調査データを守るための安全管理体制をさらに強化していくとともに、オンライントラブルの相談・調査業務の質をさらに向上させていきます。サイバー犯罪は日々進化しており、今後も新たな手口が登場することが予想されます。だからこそ、常に最新の情報を収集し、正しい知識を持って対応する姿勢が欠かせません。私たちは、調査業界の一員として、社会全体の情報リテラシー向上にも貢献し、安心して探偵を利用できる環境づくりを目指してまいります。